診療案内:小中高生

コンタクトトラブルなどお気軽にご相談下さい。

近視 近視の治療

一般に近視は、目に入ってきた光が網膜より手前で像を結び物がぼやけて見える状態です。 従って近くのものはよく見えますが、遠くのものはぼやけた像しか映らずものがはっきり見えません。 原因は不明ですが、環境因子・遺伝要因それぞれ、またはその両方があるといわれています。 一般には、近視の治療は以下のものがあります。

眼鏡処方箋およびコンタクトレンズ、
オルソケラトロジーによる近視抑制、
低濃度アトロピン0.01%点眼治療による近視抑制

当院では眼鏡処方箋と低濃度アトロピン0.01%点眼治療(ただし、自費診療です、平成29年7月から開始予定)をおこなっております。 なお、コンタクトレンズおよびオルソケラトロジー処方を取り扱い致しません。

低濃度アトロピン点眼液0.01%について

アトロピン硫酸塩は、小児期の近視の進行を軽減させることを目的にアトロピンを0.01%配合させた点眼液で、シンガポール国立眼科センター(Singapore National Eye Centre)の研究に基づいて開発されております。シンガポール国立大学の臨床実験で、低濃度アトロピン0.01%の近視抑制効果が証明されました。Ophthalmology 2012; 119(2): 347-54
日本でも7大学(旭川医科大学、大阪大学、川崎医科大学、京都府立医科大学、慶応大学、筑波大学、日本医科大学)にて臨床研究をはじめました。

近視の進行を抑制することが大切な理由

子どもの近視は、主に眼球が楕円形に伸びてしまう(眼軸長が伸びる)ことで、ピントの位置がずれることにより生じるケースが多くあります。近くを見ることが習慣化してしまうと近視になりやすく、一度眼軸長が伸びてしまうと戻ることがありません。そのため、眼軸長の伸びを抑えることが、近視の進行を抑制するためには重要となります。

しかしながら、アトロピン 1%は下記のような副作用をもたらします。
1.瞳孔が開き続けることによるまぶしさと強い光による不快感や目の痛み
2.遠近調節機能(手元を見る作業)が低下し、近くの物がぼやけて見え、読み書き等の近くを見る必要がある作業が困難になる
3.アレルギー性結膜炎及び皮膚炎
低濃度アトロピン0.01%点眼液には重篤な副作用の報告がありません。
近視の進行を平均60%軽減させる良好な点眼液といわれております。

  • ・近視の進行を平均60%軽減させると言われています。
  • ・まぶしさに殆ど影響を与えません。
  • ・目の遠近調節機能(手元をみる作業)に殆ど影響を与えません。
  • ・寝る前に両目に毎日1滴ずつ点眼します。
  • ・各容器(1本・5ml)は両目用に1か月分の使い切りになっております。
  • ・本製品はGMP(医薬品製造管理および品質管理基準:Good Manufacturing Practice)準拠の工場で製造されています。
処方の流れ

お子様の視力や目の状態などを検査・診察します。
診療後、ご希望があれば低濃度アトロピン点眼液0.01%(目薬)を処方します。
処方後は、毎月一度は目薬の処方を行いますので、受け取りにご来院ください。
処方後は1ヶ月〜3ヶ月毎に検査、診察のため受診いただくことをお勧めいたします。
近視の進行が完全に止まるわけではありませんが、少なくとも2年間継続して使用することで何もしない方と比べ近視の進行を軽減できたという報告を基にしています。

調節緊張(仮性近視)

遠くがぼやける、ピントが合いにくいなど

調節緊張(仮性近視)とは偽近視、学校近視ともいわれており、初期の近視の中にこの状態のお子さんが含まれております。人間の眼の中には毛様体というピントを合わせるための筋肉があります。近くを見るときはちぢんで(緊張して)、遠くを見るときはゆるみます。

近くの作業を多くすると、この筋肉が過度に緊張して、遠くを見ようとしてもゆるまなくなります。この状態が調節緊張、仮性近視という状態です。

治療法
ワック

毛様体筋を緊張しない状態を人工的に作り、目の緊張をほぐすことを『雲霧(雲霧法)』といいます。両眼視簡易検査器(ワック)は、目の緊張状態をほぐす雲霧という機能を備えています。ただ遠くを見るのとは違い、瞳孔反応を利用したり、光源の点滅を利用することでより効果的な毛様体筋の刺激が可能です。

また、長時間の近業などで凝り固まった毛様体筋の緊張をリラックスさせます。検査器の中の美しい風景を5分眺めるだけで、遠くの風景を長時間眺めているのと同じだけの効果があります。1回の雲霧(5分間)の中で風景が6シーンにチェンジしますので、小学生でも集中力を維持できます。

点眼治療

自宅では、①ミオピン(調節機能改善)、②ミドリンM(近視症状の寛解、調節麻痺)などの点眼をさして頂きます。 ミドリンMは、刺激のある点眼薬ですので、しみたり痛いと感じる子供さんもおられると思いますが、2~3分しておさまれば特に問題ありません。また、瞳が大きくなり、ピント合わせが出来なくなります。このため、必ず就寝前にさして頂き、その効果が約8時間続きますのでご留意ください。

基本的には、当院へ1週間に1度、1~2ヶ月通院(中学生以上の場合、2週間に1度のこともあります)して頂き、毛様体筋の緊張をリラックスさせる訓練と視力の経過観察をさせて頂きます。1~2ヶ月様子をみて、他覚的に改善傾向が余りない場合はやはり近視と考えられ、すでに眼球の形状が変化(眼軸長の延長)している可能性があり、これ以上治療を続行しても視力の回復する見込みは低いと思われます。

コンタクトレンズトラブル

安いからといって眼科を併設していない「安売り」の店でカラーコンタクトを買い、フィッティングが適正か確認できていないために目を傷つけてしまう患者様が当院でも多く見受けられます。
こうした目の傷は、悪化してしまうと失明の可能性もあるほど深刻な問題なのですが、軽く考えていらっしゃる方が多いのも事実です。

症状
角膜上皮傷害

レンズの汚れや長時間使用による角膜の酸素不足などで、角膜(黒目)に傷がついてしまった状態です。放置すると感染を起こし、角膜潰瘍に進行することがあります。

角膜潰瘍

細菌やカビ、ウィルスなどの感染から、潰瘍がひどくなると角膜に穴が空いてしまう「角膜穿孔」になるケースもあります。視力が落ちるなどの後遺症が残ることがありますので早期発見・早期治療が重要です。

アカントアメーバ角膜炎

手を洗わずに目をこするなどして、汚れた水などにひそむアメーバがレンズに付いてしまい、角膜に入り込んでしまう病気です。

最近、報告が多くなっており、感染すると治療が難しく、視力障害や失明といった危険性があります。コンタクトレンズの洗浄容器にアメーバが付着することもあり、レンズのケアだけでなく容器をこまめに代えるといった対処が必要です。

巨大乳頭結膜炎(GPC)

レンズの汚れなどによるアレルギー症状で、上まぶたの裏に乳頭(ぶつぶつ)ができます。対策としてはレンズを1日使い捨てのものにする、レンズの使用を中止する、必ずレンズのこすり洗いをする、といったことがあげられます。

治療法

現在多く使われているソフトコンタクトレンズは、角膜に傷があっても逆に傷をカバーする為、進行しなければ痛みが出ません(ハードコンタクトレンズは少しの傷でも痛く、装用できなくなります)。そのため、発見が遅れがちです。

治療はコンタクトレンズを中止し、点眼薬、軟膏を使います。治療(発見)が遅れると、角膜が白く濁るなど後遺症を残す場合があります。

コンタクトレンズは、眼鏡よりも見え方がよく、また見栄えもいいので、どうしてもコンタクトレンズを使う頻度が多くなってしまいます。ただ、やはり目に直接触れるものなので、長時間使用すると色々な症状が出てきます。角膜障害、ドライアイ、アレルギー、重症な場合は視力障害が残ることもあります。

普段から眼鏡を併用し、点眼薬も使い、目をいたわってください。定期的なコンタクトレンズの診察も行い、調子が悪ければコンタクトレンズを中止し、眼科を受診しましょう。